恩師との食事
- satomiohno
- 2017年3月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年9月25日
とても思い出に残っているバリご飯がありあます。
先月2月3日に亡くなったばかりの恩師とよく食べに行ったご飯。

恩師の家からバイクで10分ほどのサバという村の海岸にあるサテ屋さん。
サテとは日本でいう焼き鳥ですが、ここのサテは魚のすり身を竹串に付けて焼くサテリリでした。
手前の野菜は空芯菜の炒め物。サンバル入りで辛めです。奥が魚のサテリリで、右側は魚のつみれ入りスープ。
ご飯は先生が自分の半分を私のお皿に乗せたのですごい量になってます。
特別豪華ではない、普通のバリごはんです。でも、これが最高に美味しかった。

船の後ろに写っているのがサテ屋さん。
ローカルです。一人だったらここでサテが食べられるとは気付けない。

とにかく静かで、先生もこの場所が大のお気に入りだった様子。
バリに行く度に「いつサバのご飯食べに行く?」とニコニコして聞いてきました。
「海を見ていると頭がスッキリするんだ。」
毎回そう言ってただ波の音を聞きながらぼーっとして、ご飯が出てきたらさっと食べる。
そして少し周辺を散歩して帰るのがお決まりでした。
ご飯の味はもちろん美味しかったけど、それ以上にやっぱり恩師とここで過ごす時間がとても大切なものでした。
だからこそご飯も美味しいし、バリで一番思い出に残っているご飯。
「私たち人間は良い行いをするようにただ努力するだけなんだ。悪い事をするとそれは必ず自分に返ってくる。
・・・でも、人間だから間違いをすることは沢山あるけどね。」
80年以上生きている先生からの言葉は一つ一つ重みがあって、でも綺麗事ばかりじゃなく常に人間味にあふれる言葉でした。
「人間は10の点数があったとして7あれば十分なんだ。10点満点の完璧な人なんていないからね。」
そんな話をうんうんと波の音とともに静かに聞く時間が大好きでした。
恩師はとてもお洒落でグルメな人でした。
美味しいお店をたくさん知っていて、いろんなところへ連れて行ってくれました。
「美味しい?」「辛い?」と必ず日本語で聞いてくれて、「美味しい!」と言うとすごく満足そうでした。
「いっぱい食べるんだよ」と言われてなぜかご飯を3杯オーダーし、残すわけにはいかず2杯分食べたときは本当に苦しくて、
そんな私を見てにやにやとちょっといたずらっぽい笑顔を浮かべていた先生は、本当に冗談の大好きな人でした。
誰もが先生の事を知っていて、先生に向けて会釈をしたり話しかけると、先生もにこにこと挨拶したり話したりしていました。
本当に顔の広い人だなぁ・・・なんて思って後ろを歩いているとクルッと振り返って、「・・誰だっけ?」と言ってまたいたずらっぽく笑いました。
それは毎回出かける度のお決まりで、密かに先生のその笑顔を私は後ろから楽しみに待っていたりしました。
次バリに行ったら一人でもこのサテを食べに行きたいな。。お店、まだ開いていますように。

シンプルな場所で、シンプルなご飯をありがたく頂き、シンプルな話をする。色々なことがリセットされるような大切な時間でした。


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