よくわからないもの。
- satomiohno
- 2018年11月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年5月23日
バリでの先生とのレッスンの時間や何気ない時間、そして頂いた言葉はどれも宝物なんですが、その中でもずーっと記憶に残っている瞬間があります。
海岸にある、潮風を受けてボロボロになった食堂。
その海岸の砂は黒くて波も荒いから、海も全体的に暗い色。白い砂浜に青い海・・!!というビーチでは決してないのですが。。
でもそんな海を並んで座って眺めて、特に何を話すでもなく、ひたすら音を立てる波を眺める。
ブログでも何度か書いている、87歳で去年亡くなった先生との時間です。
しばらく眺めてると、ふと先生が口を開いて、
「普通の水は波が出来ないのに、どうして海には波があるんだろうね。神様の創りものかな。」
と、毎回言うのです。
なぜだか分からないけど、私はその先生の言葉がとっても好きで。
今でも、その言葉の意味ははっきりとは分からないんです。
納得はできるんだけど、ちょっと、よくわからない。
でも、そのはっきりわからないまま、ずっと大切にしておきたい思い出なのです。何でかわからないけど、いつもそう思います。
そして砂が黒い事も、海の色が暗い事も、それが逆に良いのです。
これが真っ白な砂浜で透き通るような青い海だったら、この言葉にはなんだか重みがなくなる気がするんです。
そりゃぁ当たり前だよ。海岸の地形があって波が出来るんだよ、とか、そういう"答え"は求めていないのです。
なんかよく分からない。
でもそのよく分からない感じが良い。
時々ふと、その言葉の意味とか何で先生がそんな事言ったのか、ふっと意味が分かるような感覚になる瞬間もあります。先生が亡くなって、色々考えていた時に何か少し分かったような気もしました。
そして、また、わからなくなる。。
でも、それで良いんです。
一時期その先生の言葉の意味だけでなく、バリで感じる色んなことをハッキリさせたいというか、何か深いところにあるものを明らかにしたいって思っている時期がありました。
でも今は、その分からない感じを味わい続けて探し続けていく時間も幸せなのかなと思っています。
何かわからないけど、何かとても大切。
そのフワフワとしたものをずっと胸に持っていられる事。
その感覚を、いろんな環境で、状況で、増やしていく事。
それが先生からもらった一番の宝物なのかも知れないと最近は思うのでした。

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