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月洲寺バリ舞踊奉納「オレッグ・タムリリンガン」

月洲寺春彼岸会バリ舞踊奉納。3曲目は「oleg tamulilingan(オレッグ・タムリリンガン)」。蜜蜂の求愛の踊りです。

バリ島へ行ってウブドなどでバリ舞踊の定期公演を見ると、よく最後の方に踊られます。

衣装も華やかで、バリ舞踊にしては珍しい男女ペアの踊りです。

バリ舞踊には抽象的な表現が多いと昨日のブログに書きましたが、物語のある踊りも沢山あります。

この「オレッグ・タムリリンガン」は一つのストーリー仕立てになっています。

一匹のメス蜂が花畑で蜜を吸いながら飛び回っていると、そこへオス蜂が現れます。

メス蜂の美しさに惚れたオス蜂は様子を伺います。メス蜂もまた、そんなオス蜂の視線や気配に気づきます。

最初は様子を伺いながらくっついたり離れたりして遊ぶ二匹ですが、次第に惹かれ合い、恋に落ちます。

という、ちょっと書いてて恥ずかしくなるくらいのロマンティックなストーリーです。

1952年にアメリカでの海外公演のために創られた演目だそうで、確かにストーリーを追うと西洋の「ザ・ラブストーリー」な要素を感じます。

この踊りは女性舞踊を代表する、しなやかで女性らしい踊りです。

"蜜蜂”という設定にはなっていますが、恋をする女性の様々な感情を表現しています。

私はこの踊りが大好きです。

大好きになったきっかけに、先生の言葉があります。

「この踊りのキャラクターは、綺麗で美しいお姫様ではないの。普通の一般女性が恋をしている様子を描いてるのよ。」

この言葉を聞いたときに、この演目が更に好きになりました。

私が最初に持っていたイメージは”とっても美しい女性がキラキラとしている”というイメージでした。

でもそうではなく、”自分が美しい事を知っている女性の恋心”ではなく、もっと”素朴でピュアな女性の恋心”なんだそうです。

そう思ったら一気にこの”キラキラ遠い存在(高嶺の花)”だったキャラクターが、身近なキャラクターになった気がしました。。。

美しい花の中で喜んでいる様子、華やかな香りをかいで幸せそうな様子、不安がったり感情的になったり、少し相手に甘えるような様子。

普段の生活で身近にある感情がバリ舞踊の中には詰まっています。

この「オレッグ・タムリリンガン」に対して最初に受けたイメージから納得できるまでの過程が、

初めてバリ舞踊を見た時からバリ舞踊を習い始めて理解していく過程と、すごく重なるんです。

”すごくきらびやかで特別なことをしている”というイメージだったバリ舞踊も、”実は誰もが感じるすごく身近な感情や物語を表現している”と思うんです。

バリ舞踊ってなんだか見慣れないし、抽象的だし、特別なイメージがもしかしたらあるかも知れません。

でも、実は誰もが感じる”感情”が密に詰まっている奥深くて身近な踊りなんじゃないかなぁと私は感じています。

だから「あ、その感情わかる。」とか、「あ、なんだ、意外と身近なものなんだ。」というふうに思ってもらえたら嬉しいです。

バリ舞踊にはいろんな解釈があります。地域や村によって解釈が違うことも、たくさんあります。まだまだ知らないことだらけです。

だからこそ自分が一番しっくりくる解釈でキャラクターを受け入れて踊るのが一番なんじゃないかなぁと思っています。

バリ島にあるバリ舞踊が普段の生活に身近に存在するように、日本でもバリ舞踊が身近な存在になっていきますように。。

当日はメス蜂を私が、オス蜂をまりっぺが踊ります。

しなやかな女性らしさと、キレのある男らしさの対比と調和も楽しんでもらえたらな、と思います。

3月20日11時から、台東区のお寺月洲寺にてバリ舞踊奉納。ぜひ沢山の方に観ていただけたら嬉しいです。

この三連休はお天気も良く暖かいそうなので、お散歩がてらチラッととお気軽にいらしくてください。上野も近いですよ~。

お待ちしています!

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